読んだ本

都市の政治学 (岩波新書 新赤版 (366))

感想・興味を引くところ

現代の都市を構成している建築は，特定の場所とか，自然とかに依存するのではなく，どこにでも通用する共通の建設技術，共通の材料，共通のファッションにもとづいている。それは過去についてはもちろん，未来についてさえ，なにひとつ語っていないのかもしれない。都市の原風景をかたちづくる建築は存在していない。しかしその風景のなさこそ，世界中の都市が確実に巨大な力で動くようになった時代を表現しているのである。それは世界中が同質の力で動いているのだとしか語っていないのである。p182-183