読んだ本

死の壁 (新潮新書)

死の壁 (新潮新書)

感想・興味を引くところ

改めて考えさせられる1冊です。

○人生の最終解答
ただし,人生でただ1つ確実なことがあります。
人生の最終解答は「死ぬこと」だということです。
これだけは間違いない。過去に死ななかった人はいません。
人間の致死率は100パーセントなのです。
ガンの五年生存率が何パーセントだ,SARSの死亡率が何パーセントだと世間では騒いでいますが,,その比ではないのです。
ところが,そのへんを勘違いしている人が非常に多い。現代人は皆,人は必ず死ぬということをわかっていると思いこんでいるけれども,どこまで本気で考えた末にわかっていると感じているのかは甚だ怪しいように思えます。p13

絶対の真実を信じる人は絶対の正義を振りかざします。そういう人は「あんたが絶対に正しいと思っていても,寝ている間のあんたはどう考えているんだ」と言いたくなります。人間,全盛の三分の一は寝ているわけです。絶対正しい,と思っているのは起きている間の意識は過ぎません。それ以外の寝ている時間もあなたの人生ではないのか,ということです。
人間は「自分が絶対だと思っていても,それとは別の考え方もあるだろう」というくらいの留保は持ったほうがよい。そうすれば「絶対の主義」を振りかざしてぶつかるということもなくなるのではないかということです。p119-120