読んだ本

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)

目次

第一部 読書の意味
1 読書技術と積極性
2 読書のレベル
3 初級読書 読書の第一レベル
4 点検読書 読書の第二レベル
5 意欲的な読者になるには
第二部 分析読書 読書の第三レベル
6 本を分類する
7 本を透視する
8 著者と折り合いをつける
9 著者の伝えたいことは何か
10 本を正しく批評する
11 著者に賛成するか,反論するか
12 読書の補助手段
第三部 文学の読みかた
13 小説,戯曲,詩の読みかた
第四部 読書の最終目標
14 シントピカル読書 読書の第四レベル
15 読書と精神の成長
日本人の読書

感想&引用メモ

本が読者とともに成長するなどということは,もちろんあり得ないことである。本というものはいったん書いて出版されてしまえば,変わることはない。しかし読者の理解を上回るすぐれた本は,読者にはなかなか乗りこえることができないものであり,またそういった本には,読者の能力に応じた読み方というものがある。したがって,再読によって読みが深まることもあり得るのである。本が読者をそこまで引き上げたと言ってもよいだろう。すぐれた本には賢くなった読者をさらに向上させるだけのものがあるから,おそらく読者は一生のあいだ,その本を読むことによって成長していくことになるだろう。p252