読んだ本
ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか (文春新書)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/12
- メディア: 新書
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感想
なかなかスリリングな展開で,夢中になって読めた本です。まずウイニーに関する事件から,標準化からオープンソース,国家間の駆け引き,web2.0の台頭に至るまで,なかなか面白く読ませていただきました。またしばらくしたら読み返したい本ですね。
気になる点は
「自分が(winnyを)開発したのは,確信犯的だった」
「私の狙っていた革命は成功した」
pp29
「両端の能力が低い場合には「中間」がしなければならない,混雑したときの正しいデータを送るための仕組み,データが途中で壊れたときに再送して正しいデータを復活させるたえのしくみ,入れ違った順番を直す仕組みを,両端のそれぞれのコンピュータにまさせることができる時代がきたということです。」
pp52
「包丁は料理に使うことも,あるいは人を殺すこともできる。しかし殺人の道具になるからといって,包丁を作った職人は罪に問われるだろうか?」
「Winnyに著作権侵害以外の有用な使い道があるのであれば,確かにWinnyは包丁と同等で,著作権侵害の幇助にならない。しかし匿名性を持っていたことによってWinnyが著作権侵害の目的のためだけに開発されていたというのであれば,包丁と同等にはならない」
pp123
「ハードメーカーがこのような戦略を採り続ける理由は,基本的に他社の規格が標準になるということを各社が認めたがらない点にある。欧米においては,日本企業もパソコンの標準化を指示しているのにも関わらずである」
pp173
結果としてプラットフォーム競争に勝てなかった。「標準」を手中にできなかったのである。
日本企業は単なるパソコンのセットメーカーとして九〇年代の十年間を過ごすしかなかったのである。
pp188