読んだ本

都市計画―利権の構図を超えて (岩波新書)

都市計画―利権の構図を超えて (岩波新書)

感想

かなり古い本で,情報的にはかなり陳腐化しているものの,書いてある本質的な部分はいまだ通用するものと思われます。

また,こうした「御上」からのコントロールを補強しているのが「補助金」である。都市計画に密接に関係する道路や公園などの都市施設,あるいは土地区画整理や都市再開発事業など公共投資が予定されている事業について,国からの補助金がついてくる。この補助金の獲得をめざして,市町村から都道府県知事,都道府県知事から霞が関へと陳情が繰り返される。 p41

日本株式会社
1980年代,中曽根政権の旗振りで吹き荒れた建設省都市計画法建築基準法などをめぐる規制緩和の嵐も,この最強の政官財の癒着構造の存在を抜きにしては考えられない。 p145

とくに,道路,排水施設,公園,学校,消防施設,ゴミ処理場,病院などの公共施設を十分つくらずに数千人規模の団地をどんどんつくる公団は,こうした公共施設をつくらなければならない自治体の怨嗟のまとになっていた p150-151