読んだ本
新しい高校化学の教科書―現代人のための高校理科 (ブルーバックス)
- 作者: 左巻健男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/01/21
- メディア: 新書
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感想
時代を反映してか,最終章には環境に関する項目が設けられています。
自動車にはガソリン車とディーゼル車がある。ガソリン車の場合,排ガスは三元触媒と呼ばれるものを通すことによって,Nox濃度を下げることができる。この触媒はプラチナやパラジウムなどの貴金属を含み,排ガス中のNoxを還元してN2に変え,COとHC(燃え残りの燃料CnHm)を酸化して,CO2とH2Oに変える働きを持っている。
Nox + CO + CnHm → N2 + CO2 + H2Op219
ちょっと乱暴な言い方かもしれないが,身の回りの物質が燃えるものと,燃えないものとに分けることは,化学において,物質を有機物(有機化合物)と無機質という分け方で分けることに似ている。p265
プラスチックのリサイクルの種類を以下に示す。
- マテリアル・リサイクル
材料まで戻す。再生原料として利用。
- ケミカル・リサイクル
原料まで戻す。化学反応,熱分解
- フューエル・リサイクル
資源まで戻す。熱分解で燃料油に変換。
- サーマル・リサイクル
燃やして熱エネルギーを利用。
p354
フロンのゆくえ(ローランドとモリーナの考え)
(中略)
フロンは極めて安定であるため,分解されずに世界中の大気に拡散している。そのフロンは最終的にどのようになるのだろうか。
(中略)成層圏にまで達した後,高エネルギーの紫外線によって分解され,塩素を放出するものだった。
(中略)
生じたCl(塩素)は新たなオゾン分子を破壊する。こうして1個の塩素原子が10万個ものオゾン分子を破壊してしまう。彼らはそう予想したのである。
p375-376