読んだ本
- 作者: 立花隆
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: 文庫
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感想
僕はアメリカやソ連の宇宙飛行士に何人も会って話を聞いているんですが,個性の違いや国の違いを超えて,あらゆる宇宙飛行士が共通して言うことががある。1つは,いまおっしゃっ国境のない地球が見えるということ。それからもう1つは,地球の大気の薄さを見て地球の生命圏のひ弱さを感じ,これを壊しちゃたいへんだという印象をうけるという,この2つだけは全員が言うことですね。
p55
それから,その「暗黒の宇宙」の黒というのが,通常私たちがイメージするような黒とはまったく違うんです。私たちが地球上で見ている黒というのは,光が反射したものを黒という色として目が感じている。ところが宇宙の黒というのは反射するものが何もないわけですから,本当に吸い込まれるような真っ黒なんです。黒という色の名で表せるものじゃない,文字どおりの暗黒なんですね。ですから,いっそう地球の青さ,雲の白さがきわだって見える。そういうところは想像とはまったく違いましたね。
p110