読んだ本
- 作者: 渡部千春
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
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感想・興味を引くところ
例えば極めて日本的だといわれる「侘び」という感覚ですら,北欧の人々は理解しているように思われる。
茶人利休が庶民の生活,山家を真似て作り出した茶室の文化と造形であり,華美を排し,そぎ落とした美。美術評論家・吉村貞司氏の著書『侘びの造形』(淡交社 1984年)では,こう言い表されている。
「貴族趣味にそむくことは極めて危険をはらみ,低俗に流れ,美の堕落,解体に赴きやすい。それを防ぐのは,美意識が極めて鋭く正格でなければならない。』私自身も,北欧で時間を過ごしているときに,こうした鋭さ,正格さを感じ取ることがある。同じものを同じように見ていることを感じるのである。
p216
北欧デザインが日本に定着した理由がここにあるのかな。