読んだ本
- 作者: 東京街歩き委員会
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2004/05
- メディア: 新書
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
感想・興味を引くところ
東京に住んでいた時にいろいろと行きましたが,本書のなかで紹介されていた印象深いお店といえば,「言問(こととい)団子」です。上品な甘さなのと,3つで500円という普段では絶対に口にしない高価なお菓子です。
近くには長命寺の桜餅もあり,ちょっと交通の便の悪いところですが,趣のあるお店ばかりです。
ざわめく日本橋を離れ,浅草から隅田川沿いにゆるゆると向島を目指す。次なる言問團子は訳160年前の江戸末期,向島は言問橋そばに店を構えた団子屋である。
その雅な名は「伊勢物語」に登場する在原業平の歌から。武蔵国と下総国との境を流れる隅田川で,都を追われた「おとこ(在原業平)」の目に水鳥の姿が映る。渡し守に尋ねるとそれは「都鳥」。業平は思う。「都鳥という名ならば,いざ尋ねよう都鳥よ,わたしの想うあの方はどうしていらっしゃるのかと」。その故事こそが,この地が「言問」と呼ばれた所以である。pp161-162