読んだ本

新しい高校物理の教科書―現代人のための高校理科 (ブルーバックス)

新しい高校物理の教科書―現代人のための高校理科 (ブルーバックス)

感想・興味を引くところ

アインシュタインはまた,彼の特殊相対性理論の結論の1つとして,質量mの物体が速度vで運動しているとき,そのエネルギーが,

E = mc^2 + (1/2)mv^2 + …  …(4)

となることを導いた。右辺第2項はニュートン力学で運動エネルギーとよんでいたものである。
注目すべきは右辺第1項で,そこは,速度vが0(第2項が0)であっても,物体はエネルギーをもつことを意味する。この項は静止エネルギーまたは,質量エネルギーともよんでいる。
cは光速度で3×10^8m/sという大きな値だから,静止エネルギーの項の存在は,巨大なエネルギーの出入りがあれば,物体の質量が減ったり増えたりする可能性,あるいは質量が消滅して莫大なエネルギーを生む可能性を示唆している。
核反応で放出される膨大なエネルギーは,この式に隠されていたのだ。p349-350