読んだ本

未来を予測する技術 (ソフトバンク新書 46)

未来を予測する技術 (ソフトバンク新書 46)

感想・興味をひいた所

あの地球シミュレータのセンター長の方が書いた本。

このベルトコンベア*1とプロセッサのセットを複数個用意し,並列処理ができるようにしておけば,複雑な演算をするシミュレーションの効率は,複数倍に増大する。この方式がベクトル方式と呼ばれ,先のスカラー方式を区別される。シーモア・クレイの天才的な発明である。この方式を利用したベクトル型コンピュータが1976年に商品化されたCRAY1である。p78-79

コンピュータの発達が社会をIT革命へと導き,人間の新しい活力を生み出した。バブル崩壊で疲弊した経済の救世主として,新しい経済の方向性を主導してくれた。
しかし他方において,そのスピードはあまりにも速く,人間が生きる上で重要な,「自ら学び取る:というような「知の喜び」をどんどん減らしているようにも見える。p87

耳の痛い話です。

コンピュータのシミュレーションに対する能力はもはや,プロセッサの演算能力ではなく,データ交換機能で決まることになるのだ。p94

どんな世界でもボトルネックはやはりデータ転送時間なんですね。

地球シミュレータ・システムの総電力は,約5メガワットである。p100

5メガワットって…。パソコンが多くても500ワットとしたら1万台同時稼働させたぐらいの電力かな?

*1:パイプラインのこと