読んだ本

損料屋喜八郎始末控え (文春文庫)

損料屋喜八郎始末控え (文春文庫)

感想・興味をひいた所

祭りを翌日に控えた8月14日,深川富岡は前夜半から雨がやまず,昼前には表通りにも大きな水溜まりができていた。
富岡八幡宮例祭を,土地のものは水かけ祭と呼んでいる。神輿が近寄ると,手桶や天水桶の水を思いっきりぶっかけるのだ。祭の水を恵んでくれる雨を地元の連中は喜んだ。p9

この最初の書き出しを読んで懐かしくなってしまいました。東京に住んでいたとき,この深川近辺は庭みたいなもので,私もこの水を浴びて祭を楽しみました。
作者の山本一力さんは門前仲町に住んでいらっしゃって,私の住んでいた砂町(北砂)とは目と鼻の先。住んでいた所を200年前にタイプスリップして読むことができました。