読んだ本
構造化するウェブ―ウェブの理想型を実現する技術とは (ブルーバックス)
- 作者: 岡嶋裕史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/11/21
- メディア: 新書
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感想・興味をひいた所
特にインターネットのような開放系インフラ上で,知らない企業や組織と連携を行うニーズが増えてくると密結合は使えない。密結合するためには,結合相手の内部のしくみを詳細に理解しておく必要がある。p23
基本情報で勉強する疎結合と密結合。でも現在のムーブメントを理解するにはこういう本を読まないと本当の意味での勉強にはなりません。
SOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)で言われているサービスとは,次の2つの意味だと考えて欲しい。
- 機能の提供を特定の場所で行う。
- コンピュータ(プログラム)に対して機能を提供する。
(中略)
いわば,アウトソーシングを行うようなもので,利用者はウェブサイトの構築という「本来やりたかったこと」に集中できる。
企業が積極的にアウトソーシングを行い,コアコンピタンス(core competence:中核競争分野)にその経営資源を集中投下することは一般的に行われているが,SOAはこの発想に近い。
重複作業は専門のサービスに任せ,自らスリムで柔軟を持った形で本業業務に注力することで,システムの効率化,低コスト化を実現するのである。
p52-57
本書でも紹介されているように,資本力の大きい大企業に打ち勝つには,中小で持つ得意分野をお互いに共有しあって,1つのシステムを手っ取り早く作り上げることはスバラシイことだと思います。
ただ,私の気持ちで引っかかる点は,その中核部分をアウトソーシングすることにより,「人のふんどしを借りて商売している」気持ちがあり,どうしても「自前主義」にこだわる気持ちがあること。もし提携先の技術や経営に問題があり,サービスの継続が困難になったりすることのリスクを考えると,行き過ぎたアウトソーシングも考え物だと思うのは私だけでしょうか。
それから,例えが悪いのですが,これら技術の身近な応用例がブログサービス(CSS,XHTML,データベース)と,従来からのホームページ(HTML)との違いであることがよくわかりました。