読んだ本

日経新聞の裏を読め (角川SSC新書)

日経新聞の裏を読め (角川SSC新書)

感想・興味をひいた所

ドラッカー氏は「明らかであるにもかかわらず,まだ知覚されていないモノを探す」ことが重要であり,「予測ではなく,観察することこそが未来を読み解くキーワードだ」と語っています。 p34

裏読みすることの重要性を解いてますが,この観察能力が備わってなければ,単なる予想屋の発想でしかなりません。

私の好きな言葉に「守破離」という言葉があります。これは,江戸時代のお茶の精神と言われていますが,原形は日本の南北朝時代から室町時代にかけて活躍した能の大家,観阿弥に由来しています。観阿弥は「物まねの徹底こそが,真実性の追求」と語っています。たしかに「学ぶ」の語源は「真似ぶ」。p57

ごもっともなことで,常に成功事例から研究する姿勢は重要だと思います。

そのとき,「経済変動より深い潮流」という言葉を忘れてはいけません。
(中略)
いくら情報を大量にインプットしても,情報を見て買ったり売ったりするのが人間である以上,人間の心を考えていかなければ読み解くことはできないのでは,と考えるようになりました。結局,欲望が渦巻いているのは,人間の心が欲望でうじゃうじゃしているからなのです。
であれば,人間の心の動きが関係している情報でなければ見誤る。そう考えていくと,一番誰もが知っている言葉が,実は思いっきり人間の心に関係していることに気づいたのです。p116-117

単なるインプットなら,体力勝負で誰でもできること。データマイニングのレベルなら機械的な情報分析の範疇だと思いますが,人間の心理や相手の立場に考えた分析能力が無ければ,裏読みの精度はしれたものでしょう。このスキルアップこそが重要なんですが,センスに左右されることが多く一朝一夕で身につくスキルではないものと思っています。