読んだ本
- 作者: 後藤健生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/05
- メディア: 文庫
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感想・興味をひいた所
どんな事態にも対応できる一種の自動機械を作るのが監督の仕事なのだ。トレーニングを通じて,選手たちに戦術の共通理解を与えることによって,いちいち指示を出さないでも,チームが機能し続けるようにするのが,サッカーの監督の仕事なのである。
タッチラインの外で,絶えず声を出し続けるカペッロに対して,リッピはほとんど静かに戦況を見守るだけだ。そして何度かの選手交代とシステム変更を利用して,流れを変える。
とにかく,サッカーにおいては,選手個々の判断で試合が展開していくのだ。したがって,いくらディシプリンが大切だからといって,選手個々の自由な発想を押さえ込んで,すべてを決まりごとで動かしていたのでは,サッカーとしての面白さに欠けてしまう。つまり「ファンタジア」がなくなってしまうのだ。p201-202
いまでも覚えてますが,セリエAのリーグ戦で,ユベントスの試合の最中にリッピ監督が葉巻をくゆらせて極めて冷静に戦況を分析しているところが,イタリアサッカーのレベルの差を感じるところでした。