読んだ本
- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1999/01/01
- メディア: 文庫
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感想・興味をひいた所
いわば「身内」に対してこれほどの気配りをする江副が,外部の,特にマスコミ関係に対してこんな行動にでたのはなぜなのか。
実は同じメダルの裏表だという気がする。江副の内面に隠されているのは男っぽいイメージの剛直さではなく,神経症的なまでの過敏さである。とりわけ,管理された以外の情報に対して異常なほど神経をとがらせるのは,彼が情報帝国の総帥などといわれながら,実は,情報というものに対してタカをくくり続けただけで,情報のもつ意味や価値に対してまともに取り組んでこなかったことの何よりの証明であろう。
同化する物は暖かく迎えるが,異分子は徹底的に排除してゆく。こうした江副の内面が反映されたリクルートの社内が,ある種,密教集団化されていったのも,当然だった。リクルートを退社した社員の大多数はこうした社風にはじきとばされた人々だった。いいかえれば,役員までが女子社員をチャンづけで呼び,社内恋愛を奨励するような社風に疲弊して去っていったのである。p51-52
本書はリクルートから細木数子まで虚業家として紹介されています。既にリタイヤした人から,スキャンダルを踏み台にして活躍されている人も,「人生いろいろ」といった感じがしました。