読んだ本

桶狭間の真実 (ベスト新書)

桶狭間の真実 (ベスト新書)

感想・興味をひいた所

この高名な幸若舞の敦盛の一節を舞い,舞い終えてから具足を着し,立ちながら湯漬けをかきこみ,そして数騎だけを従えて清須城を跳びだした。これは「信長公記」の記述である。
由来,多くの作家や批評家が,この部分に悲愴感がただよう決死の覚悟が読みとるわけだが,私はそれには同意できない。戦地に赴かんとする者が,まずなによりも死を覚悟せんとするのが当然だが,かれのこの慌ただしい出陣シーンには,それよりも敵が自分の仕掛けた罠にかかったことを知った際の狂喜が横溢しているように思える。さらには,勝機を逃すことへの恐れと旺盛な闘志のあらわれと読みとりたい。桶狭間の役の経緯を,通説と異なるかたちで分析してきた私には。この時の信長の心事をそのようにしか忖度しえないのである。p111-112

いまから450年前,私の自宅の近く(名古屋市緑区)の出来事であることから,いちどしっかりと調べておきたいと考えていたタイミングで,発刊された本です。
なので勉強不足につき的確に評論は出来ないのですが,この説は何となく説得力があると感じてなりません。