読んだ本

感想・興味をひいた所

適切に「ほめる」「叱る」には,部下の職務内容と,仕事の進捗の把握,さらに,明確な評価基準と部下との信頼関係が不可欠である。
あなたの職場には,ほめ上手,叱り上手な上司が存在しているだろうか? p19

会社の掲げる目標は,会社の戦略や今後の方向性,職場の能力とリンクしていなければ,容易に形骸化してしまう。そして,形骸化した目標に向かって努力せよとお尻を叩かれるほど,社員にとって辛いことはないのである。
あなたの職場には,適切な目標が与えられているだろうか? p39

さて,こうした壁に突き当たってしまったとき,強力な武器になるのが,トヨタ式の「なぜを5回繰り返す」という真因追求の方法である。何か問題が発生したら,その真因を突き止めるために,「なぜ」を5回繰り返すのだ。
むろん5回という回数にこだわる必要はない。あくまでも「真因が明らかになるまで問いを繰り返す」ということが大切なのであって… p75

たとえばトヨタでは,目標が立案されると,それを進度管理表の形にして視える化を図る。進度管理表の単位は,年,月,日,時とさまざまだが,いわゆるガントチャート(日程計画表)の形にして,その目標への取り組みがいつから始まり,それはいつまでに終了する予定であり,現在の進捗状況がどの程度であるかがひと目でわかるようになっている。
こうした進度管理表があれば,それを見た者は,進捗状況を正確に知ることができるばかりでなく,遅れがあれば,それがどの程度の遅れなのかも把握できる。そして,今自分は何を優先してやるべきなのかを知ることもできるのである。
そう,掲示を見る者が見たいのは,”自分が今何をすべきか”を明確に教えてくれる情報なのだ。スローガンのような掲示をいくら見せても,そこから,自分が今具体的に何をすべきかを知ることができない。
目標の立案ができたら,その目標をいかに職場に浸透させるかを考える必要がある。その際には,見せ方を考えなくてはならない。トヨタの視える化にならって,職場の人々が視たい情報を最も見えやすい形で掲示すること。それが,目標を活用して達成していくために必要不可欠な工夫である。 p161

この本を読んでいる週に,ちょうどタイムリーなことに我が社でも業務改革推進プロジェクトが立ち上がりました。ですが読んで思ったのですが,のっけから我が社の改革がミスリードしているように感じました。
本書はトヨタカイゼンを実践してきたプロの業務改善家の人たちが書いた本です。特に無理なことが書いてません。むしろ当たり前のことが書いてあります。ただ実践するためには,今までの慣習を捨てる覚悟する必要があるかもしれません。人によってはついて行けない,考えすぎてしまいメンタル面のケアが必要な場合もあるかもしれません。でもこれからの競争社会に生き抜くための知恵があると思って,前向きに取り組む勇気が大事なんだ思います。